特定技能の基本
日本で働きたい場合、一般的には「技術・人文知識・国際業務」または「技能」などの就労ビザを取らなければなりませんでした。
しかし、「技術・人文知識・国際業務」を取るには、「学歴」と「学歴と業務内容の関連性」が審査の大きなポイントとされ、「大学や日本の専門学校」を卒業していない場合は、実務経験10年以上という条件が課せられ、「技術・人文知識・国際業務」を取ることは難しいことでした。
また、就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」では、大学等で学んだ知識や技術が必要とされる仕事にしか就くことはできず、建設業での現場労働、食品製造業でのライン作業、宿泊業での接客・配膳・清掃、農業など単純労働はNGでした。
このような状況が続く中、日本では少子高齢化が進み、中小企業をはじめとした人手不足が深刻化してきました。
そこで、その人手不足を解消するためには外国人の協力が不可欠となり、2019年4月より新たな就労ビザ「特定技能」が創設されました。
こちらでは「特定技能」の基本について、詳しく説明させていただきます。
特定技能とは?
🍃Question
在留資格「特定技能」とは?! 
中小規模や小規模事業者をはじめとした、深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行っても、なお、人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野(
特定産業分野)において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れるために設けられた在留資格です。
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特定産業分野に該当しなければ、特定技能の在留資格を取得することはできません!
【 特定産業分野 一覧 】
介護職 |
・高齢や障害で、生活をする時に介護が必要になった人たちへの身体介護等。 ・レクリエーションの実施、リハビリテーションの補助など身体介護等に関係して助けが必要な仕事。 ⚠️訪問介護は対象ではありません。 ▼詳細はこちら👇 介護特定技能ビザ申請サポート |
ビルクリーニング業 |
・多数の利用者が利用する建築物内部の清掃 ⚠️ハウスクリーニングなど住宅は対象となりません。 ・床、浴室、トイレ、洗面台等の清掃からアメニティ補充やベッドメイク作業などの客室清掃業務も対象になります。 ▼詳細はこちら👇 特定技能ビルクリーニング |
工業製品製造業 |
・機械金属加工 ・電気電子機器組立て ・金属表面処理 ・紙器・段ボール箱製造 ・コンクリート製品製造 ・RPF製造区分 ・陶磁器製品製造 ・印刷・製本 ・紡織製品製造 ・縫製 |
建設業 |
・土木 ・建築 ・ライフライン・設備 ▼詳細はこちら👇 建設特定技能ビザ申請サポート |
造船・舶用工業 |
造船・舶用機械・舶用電気電子機器 |
自動車整備業 |
自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、特定整備に付随する業務 |
航空業 |
・空港グランドハンドリング (地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等) ・航空機整備(機体、装備品等の整備業務等) |
宿泊業 |
宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービス提供 |
自動車運送業 |
・バス運転者 ・タクシー運転者 ・トラック運転者 |
鉄 道 |
・軌道整備 ・電気設備整備 ・車両整備 ・車両製造 ・運輸係員 |
農 業 |
・耕種農業全般 (栽培管理、農産物の集出荷・選別等) ・畜産農業全般 (飼養管理、畜産物の集出荷・選別等) ▼詳細はこちら👇 農業分野における特定技能 |
漁 業 |
・漁業 (漁具の製作や補修、水産動植物の採捕や探索、漁具や漁労機械の操作、漁獲物の処理や保蔵など) ・養殖業(養殖水産動植物の育成管理や収穫、養殖資材の製作・補修・管理など) |
飲食料品製造業 |
酒類を除く飲食料品の製造・加工、安全衛生の確保 ▼詳細はこちら👇 飲食料品製造業の特定技能 |
外食業 |
外食業全般 (飲食物料理、接客、店舗管理) ▼詳細はこちら👇 外食業の特定技能ビザ申請 |
林 業 |
森林において樹木を育てて丸太を生産し、苗木を植えるなどの作業 |
木材産業 |
木材・木製品の製造・加工 ⚠️家具や建具などの装備品は除かれます。 |
特定技能1号と特定技能2号
🌾 特定技能の分類 🌾
特定技能は、「1号」と「2号」の2つに分類されます。
🔽特定技能1号
介護、建設、農業、外食業など特定産業分野の現場で働くためには、特定技能の在留資格を取得しなければなりませんが、最初は「特定技能1号」からスタートです。
「特定技能1号」の在留資格を取得した外国人は、現場指導者の指示や監督を受けながら、それぞれの分野で定められた業務に従事します。
特定技能1号を取得するには、特定技能測定試験とN4以上の日本語能力試験に合格する必要があります。
なお、技能実習2号を良好に修了した外国人の方は試験免除で特定技能へ移行できます。
在留期間は、1年、6ヵ月又は4ヵ月ごとに更新し、通算で上限5年まで特定技能1号として日本に在留することができます。
なお、特定技能1号では、家族の帯同は認められないので、家族滞在ビザ(Dependent Visa)で配偶者や子を呼び寄せることはできません。
🔽特定技能2号
特定技能2号は、特定技能1号の上級在留資格であり、特定技能2号の試験に合格し、それぞれの分野で熟練した技能を有する外国人に与えられる在留資格です。
熟練した技能とは、自らの判断により高度に専門的・技術的な業務を遂行でき、または監督者として業務を統括しつつ、熟練した技能で業務を遂行できるなど長年の実務経験等により身につけた熟達した技能の事を言います。
今までは、建設業と造船・舶用工業分野の溶接区分のみが対象となっていましたが、2023年8月31日から残りの9分野にも特定技能2号の対象となりました。
なお、特定技能2号は、家族の帯同が認められているので、家族滞在ビザで配偶者や子を呼び寄せる事ができます。
要件
特定技能の在留資格を取得するには、特定技能外国人と特定技能所属機関(受入会社)の双方にそれぞれの要件があります。
この要件を満たすことによって、受入会社は特定技能外国人を雇用することができ、外国人は特定技能外国人として働くことができます。
▼要件について詳しくはこちら👇
特定技能1号ビザの要件をズバッと解説
特定技能外国人支援計画
特定技能では外国人との雇用締結後、労働の対価として報酬を支払うだけでは足りません。
特定技能外国人が安心して日本で働き、そして、生活ができるよう
1号特定技能外国人支援計画書を作成し、それを
実際に実行しなければなりません。
これを
「特定技能外国人支援計画」といいます。
支援計画をできる要件と体制が備わっているのであれば、自社で支援計画を実行することができます。
しかし、支援計画ができる要件と体制が備わっていない場合には、登録支援機関と支援委託契約を締結し、登録支援機関に支援計画の実行を任せなければなりません。
▼詳しくはこちら👇
特定技能外国人支援計画をズバッと解説 特定技能自社支援サポート
まとめ
特定技能であれば、技術・人文知識・国際業務ではNGであった介護職、建設業での現場労働、製造業でのライン作業、農業などの仕事に従事することができます。
現在、16の特定産業分野において、特定技能の在留資格が取得でき、試験に合格した外国人、または、技能実習で経験を積んだ外国人が、即戦力として働くことができます。
当然、特定技能1号や特定技能2号の在留資格を取得するには、要件を満たしていなければなりません。
また、特定技能には、他の就労系在留資格にはない特定技能外国人支援計画があります。
受入企業は、ただ給与を支払うだけではなく、特定技能外国人の生活支援も意識しなければなりません。
当事務所は、
特定技能に「力(ちから)」を入れている行政書士事務所です。
はじめて特定技能外国人を雇用する企業様、そろそろ自社支援に切り替えようか悩んでいる企業様、是非、当事務所にご相談ください。
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つばくろ国際行政書士事務所
行政書士 五十嵐 崇治
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