ホテル・旅館業においても、一定の条件を満たせば、技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)で外国人を雇用することが可能です。
ただし、この技人国で認められている業務には範囲の制限があり、従事できるのは、以下の業務に限られます。
【 技人国の就労ビザで可能な業務 】 1.フロント業務 2.営業 / 広報企画 3.事務職
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上記3つの業務であれば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働くことができますが、それぞれに注意点があります。
1.フロント業務
**フロント業務の仕事内容**
❶ 宿泊予約及びその変更とキャンセル 電話やWEBからの宿泊予約、予約の変更そしてキャンセルなど宿泊者の予約状況を管理・整理します。 ❷ レセプション チェックインからチェックアウトまでの間に発生する様々な手続きやサービスを担当します。 具体的には、チェックイン時の予約確認、部屋割り、ベルボーイへの指示、料理や宴会部門への情報伝達や指示などです。 ❸ インフォメーション フロントは、ホテルや旅館での情報センターの役割も担っています。 ホテル等の利用客の目的は、観光・ビジネス・飲食・宴会など様々ですから、それに応えられるだけの豊富な案内力が求められます。 また、郵便物・国際電話などの扱いもできなくてはなりません。 ❹ 会計 チェックアウト時の精算をはじめ、各種の会計業務を担当します。 |
以上のように、フロントスタッフはホテル・旅館の司令塔となって仕事をしなければなりません。
| ホテルフロント業務で、技術・人文知識・国際業務の就労ビザ申請をする際の注意点 |
1️⃣ 学歴と従事させる業務との関連性技術・人文知識・国際業務の就労ビザ(在留資格)では、「学歴」と実際に行う業務内容の関連性が重要です。
ホテルフロント業務の場合、単なる受付・案内だけではなく・・・
・外国語を用いた接客対応 ・海外宿泊客への案内・問い合わせ対応 ・予約管理、クレーム対応、メール対応 ・インバウンド対応に関する業務など、知識や語学力を活かす業務内容であることを具体的に説明する必要があります。
「大卒だからOK!」「専門学校を卒業しているからOK!」なのではなく、その学歴で学んだ内容が、どのようにフロント業務に活かされるのかを明確にすることが重要です。
2️⃣ 雇用理由は「なぜ、その外国人なのか」 技人国の審査では・・・
「なぜ、外国人を雇用する必要があるのか」「なぜ、その外国人でなければならないのか」 という点が必ず見られます。
単に「外国人対応が必要だから」という抽象的な理由では足りません。
例えば、次のような場合は、注意が必要です。
✅外国人宿泊客がほとんどいないホテル・旅館
➡外国人対応の必要性が低いと判断され、不許可となる可能性があります。
✅宿泊客の多くが中国語圏なのに、中国語が話せない外国人をフロントとして採用する場合
➡業務との整合性が取れず、不許可のリスクが高くなります。
🎯重要なのは・・・ 「外国人対応が必要」
➡「
その外国人を採用する合理的な理由」
この流れを、数字や具体例を交えて説明することです。
3️⃣ フロント業務として十分な仕事量があるか もう一つの重要なポイントが
❝ 仕事量 ❞です。
技人国の審査では・・・
「本当にフロント業務だけを担当するのか」
「実際は清掃や配膳などの現場作業をさせるのではないか」
という点を厳しく見ています。
仕事量が不十分だと・・・
・清掃業務 ・レストランスタッフ業務 ・単純な接客・雑務など、技人国では認められていない業務に従事させているのではないかと疑われてしまいます。
【 対策として有効な方法 】🌟
1日の業務スケジュール表を作成する➡ フロント業務として、どの時間帯にどの業務を行うのかを明確にする。
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外国人宿泊客の割合や推移を説明する➡ 全体の宿泊客のうち、外国人がどの程度いるのかを具体的に示す。
これらを提出することで、「フロント業務として十分な仕事量があり、技人国に該当する業務である」という点を客観的に説明しやすくなります。
2.営業・企画広報
ホテル・旅館などの宿泊業では、外国人材を営業・企画広報分野で採用することもできます。
◉ 主な仕事内容
- 本国旅行会社との交渉・折衝
- 法人営業(企業・団体向け営業)
- 宿泊プランの企画・立案
- SNS・Webを活用した情報発信
- インバウンド向けプロモーション業務
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これらの業務は、知識・思考力・企画力を要する業務であるため、内容次第では、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格(就労ビザ)に該当します。
しかし、申請にあたっては、いくつかの注意点があります。
| ~営業・企画広報の業務で、技術・人文知識・国際業務の就労ビザ申請をする際の注意点~ |
Q.なぜ、日本人ではなく、その外国人を採用する必要があるのか?この点を具体的・合理的に説明できなければ、追加資料の提出を求められたり、不許可になる可能性が高くなります。
《 説明すべきポイントの例 》
- どの国・地域をターゲットにしているのか
- その外国人が持つ語学力・文化理解
- 本国旅行会社や海外取引先との交渉に、なぜ、その人材が必要なのか
「その外国人でなければならない理由」を、業務内容と結び付けて説明することが重要です。
3. 事務職総務・人事・経理業務の他、特定技能外国人の支援担当者としての業務も含まれます。
社内管理や制度運用など、裏方としてホテル経営を支える役割です。
🍃特定技能外国人の支援担当者とは?

外国人が日本で安心・安定して就労・生活ができるよう、支援計画の作成・実施、関係機関との連絡調整、相談対応などを行う企業側の実務担当者です。
特定技能外国人が理解できる言語で丁寧に対応することが求められるため、語学力や国際的なコミュニケーション能力を活かせる業務であり、「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザに適した職務内容と言えます。
単純な入力作業や雑務ではなく・・・
「制度理解」「社内調整」「管理・運用業務」といった人文知識を活かした業務内容であることが求められます。
「制度理解」法律・制度・社内ルールを理解し、業務に反映させること。
- 在留資格(特定技能・技人国等)の制度を理解し、更新時期や必要書類を管理
- 労働基準法・就業規則を踏まえた雇用管理
- 行政手続きや届出内容を把握し、社内で共有・整理
👉「マニュアル通りに入力する人」ではなく…
制度の趣旨を理解して動ける人材であることがポイント!
「社内調整」複数の部署や関係者の間に立ち、情報を整理し、円滑に業務が進むよう調整する役割です。
- 現場担当者と人事・総務部門との間での情報調整
- 外国人社員に関する課題(勤務・生活・手続き)の社内共有
- 上司や経営層への報告資料の作成・説明
「管理・運用業務」決められた作業をこなすだけなく、継続的に管理し、改善しながら運用する業務。
- 外国人社員の在留期限・契約期間・研修状況の管理
- 業務マニュアルや管理表の作成・改善
- トラブルや課題発生時の対応フルー構築
求められるのは
「考えて運用する事務」ということです。
単なる作業ではなく、制度や組織を理解したうえで判断・調整する業務が該当します。