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つばくろ国際行政書士事務所

永住権の取消しと再申請

永住権の取り消し事由

せっかく手に入れた永住権も次に該当する場合は、永住権が取り消されてしまいます。
▼永住取り消し事由
1️⃣再入国許可期限オーバー
2️⃣届出義務違反
3️⃣公租公課の不払い
4️⃣特定の刑罰法令違反

以上に該当した場合、残念ですが、永住権が取り消されることがあります。
それでは、永住権が取り消されてしまった場合、どうなるのでしょうか?
そして、永住権を再取得するにはどのような要件が必要なのでしょうか?
このページでは、永住権取り消し後の在留資格そして永住権再取得について説明します。

再入国許可期限オーバー

1️⃣再入国許可期限オーバー
永住者とはいえ、外国人としての義務を守らなければなりません。
日本から出国した永住者は、再入国許可期限を迎える前に日本に入国しなければなりません。
特に「みなし再入国許可」によって出国した場合、どんな理由があろうと出国してから1年以内に日本に入国しなければ永住権は取り消されてしまいます。

▼永住権が取り消されてしまった場合
ただ、幼い頃から日本に在留しているなど、日本への定着性の高い永住者が再入国許可を受け、その出国中に再入国許可の期限を過ぎてしまった場合、「定住者」として上陸特別許可を受けられる可能性があります。
また、日本人の配偶者であれば「日本人の配偶者等(配偶者ビザ)」、永住者の配偶者であれば「永住者の配偶者等(配偶者ビザ)」として許可を受けられる可能性があります。

▼永住再申請
上記のように上陸特別許可によって「定住者」などを許可された外国人の方は、1年を経過すれば永住申請を再度することができます。
ただし、昔、永住者だからといって優遇されるわけでもなく、通常の永住申請のように過去の在留状況をみて審査します。つまり、収入状況、納税状況などをみますので、それなりの年数を経過しなければ永住申請をしても不許可になる可能性が高いでしょう。
また、在留資格の在留期間が「3年」にならなければ、永住申請をすることすらできません。

届出義務違反

2️⃣届出義務違反
正当な理由なく、引っ越しをしてから14日以内に新居地の届出をしなかった場合、永住権が取り消される場合があります。
また、虚偽の住居地を届け出た場合も永住権が取り消されることになります。
以上の事が発覚した場合、事実確認を正しくするため、調査が行われます。また、本人から意見聴取を行います。
そして、これらの手続きによって、永住権を取り消すか、または永住権を取り消して、他の在留資格に変更するかを慎重に判断します。

▼永住再申請
永住者から他の在留資格に変更されてしまった場合でも、その後の在留状況(収入・納税・法令遵守・素行等)に問題がなければ、再度、永住許可を受けることが可能です。
ただし、取り消されてからすぐに永住申請をしても許可される可能性は少なく、通常の永住申請と同様の審査が行われるので、ある程度の年数が経過し、在留状況を疎明できるだけの資料が揃ってからでないと永住申請は許可されないでしょう。

公租公課の不払い

3️⃣公租公課の不払い
公租公課の不払いとは、税金、公的年金、公的医療保険料を納めないことをいいます。
永住許可制度の適正化により、故意に公租公課の支払いをしない永住者は、永住権取消しの対象となります。
では、「故意に公租公課を支払わない」とは、支払うべき公租公課があることを知っており、支払能力があるにもかかわらず公租公課の支払いをしない場合が該当します。
よって、病気や失業など本人には責はなく、やむを得ず公租公課の支払いができないような場合は、取り消しの該当にならないので安心してください。

▼永住権が取り消されてしまった場合
公租公課の不払いにより、永住取消事由に該当する場合であっても、直ちに永住権を取り消して、日本から出国させるものではありません。
不払いに至った経緯や督促等に対する永住者の対応状況など個別具体的な事情に応じて判断します。
そして、その外国人が引き続き日本に在留することが適当でないと認める場合を除き、永住者以外の在留資格(ビザ)への変更を許可することとしています(例えば「定住者」など)。

▼永住再申請
永住権を取り消された者でも、その後の公的義務が適正に履行されていること等が確認できれば、再度、永住許可を受けることが可能です。
ただし、昔、永住者だからといって優遇されるわけでもなく、通常の永住申請のように過去の在留状況をみて審査します。つまり、収入状況、納税状況などをみますので、それなりの年数を経過しなければなりません。

特定の刑罰法令違反

4️⃣特定の刑罰法令違反
窃盗・詐欺・恐喝・殺人を犯した場合や自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の危険運転致死傷など一定の重大な刑罰法令違反を犯した場合は、永住権の取消し事由に該当します。
心配なのは、交通事故・交通違反をしてしまった場合ですが、交通事故を起こしても過失運転致死傷の罪で処罰された場合は永住権取消し事由の対象とはなりません。
また、道路交通法(道交法)は取消事由として規定された刑罰法令には含まれませんので、道交法違反により処罰された場合は、そもそも対象となりません。
さらに、処罰の内容も拘禁刑事に処せられたことが要件となっていますから、罰金刑に処せられた場合も対象となりません。
しかしながら、永住者であっても1年を超える実刑に処せられた場合は、罪名等にかかわらず退去強制事由に該当して退去強制となる場合があります。

▼永住権が取り消されてしまった場合
永住権取消し事由に該当したとして直ちに在留資格を取り消して出国させるのではなく、引き続き日本に在留することが適当でないと認める場合を除き、法務大臣が職権で永住者以外の在留資格への変更を許可することとしています(例えば「定住者」や「日本人の配偶者等」)。

▼永住再申請
永住権が取り消され、他の在留資格へ変更されたとしても、その後の在留状況に問題がなければ永住許可申請を再申請することができます。
そして、再申請が許可されれば、永住権を取得することができます。

まとめ

以上のように「永住権」が一度取り消されてしまうと、その再取得には再び時間がかかってしまうことがわかったかと思います。

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行政書士 五十嵐崇治
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